高齢者シーティング日記

高齢者に対するシーティングについて実践例や考えたことなどなど

自作クッションの作成

円背があり、仙骨座りが原因で褥瘡ができやすい方に対してグループ内の施設の職員さんより依頼があったため自作ウレタンクッションの作成をしましたので作成の過程をご紹介したいと思います。

1. 打ち合わせ

現場の担当スタッフと相談のうえ、クッションの形状などを決めていきます。

褥瘡リスクが高いので本来であればクッションの厚みは最低でも5cmは欲しいところですが、今回の場合、ご本人様の身長や施設用車いすの在庫状況、机の高さなどを考慮して3.5cmのベースに2.5cmのアンカー、5cmの外転防止として経過をみることとしました。

2. アンカーの位置決め

車いす上で臀部の位置を決め、シート後端から坐骨結節までの距離を測ります。

クッションの全体からこの距離を引いた長さがアンカーの長さになります。

3. ウレタンの切り出し

車いすの座幅、座奥に合わせてウレタンにマジックで線を引き、カットしていきます。

今回の車いすのシートは40cm×40cm、座骨結節の位置は後ろから8cmでしたのでベースが40cm×40cm、アンカーが40cm×32cm、外転防止は10×45cmとしました。

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マジックで切るところに線を引きます

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ベースクッションが底付きしないようにマイクロチップウレタンを使用しました

4. 切り出したウレタンをスプレーボンドで貼り付け、組んでいきます

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貼り付けて組んだところです。

写真右側が前、左が後ろになります。

5. 本人様に座っていただき、臀部に沿って印をつけていきます

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線が引けました。

6. 本人様に合わせてカット

ウレタンカッターをしならせながら臀部の形状に合わせてカットしていきます。

何度か座っていただき、隙間を確かめながら調整していきます。

 

久しぶりだったので、ウレタンカッターの扱いに苦慮しながらなんとか作成できました。

が、夢中になりすぎて出来上がった最後のクッションの写真を撮り忘れてしまいました 泣

また詳しい作り方については記事にしたいと思います!

 

クッションを作成したことで少しでも良い方向へ向かうことを願っております。